とある勤務医が資産1億円を達成するまで。

資産形成日記。医療知識の整理。

神経学的所見をとるのが苦手

こんばんは。

 

昨日、内科当直バイトの交代直前に、脱力で救急搬送されたお婆さんを診ました。

 

手足を動かせるかと会話の受け答え(意識・精神状態)の確認、あとは採血(血算、生化学、凝固)と心電図をとりました。

 

E4V5M6だったし、明らかな局所の麻痺は無かったので、脳画像検査に関しては省略しました。

 

採血結果が出る前に、交代時間になったので次の医師に申し送りをしました。

当直交代間際の駆け込みでは、必要な検査オーダーと臨床所見だけをとって、次の当直担当医に引き継ぐことが多いのです。

 

引き継ぎ内容に不満があったようで、次担当医にかなり深く突っ込まれました。どうやら神経内科医のようで(歳も自分より10こくらい上かな)。

 

締め切りが来たので次の人に任せればいい、という甘えもあったんですが、そもそも神経学的所見をとるのが苦手なんですよね。

 

ですので、メモついでに神経学的所見の取り方をまとめて行こうかなと。

 

今日は時間が無いので、意識・精神状態の評価の仕方だけ。

 

【意識状態の表現方法】

意識不鮮明: 軽度の意識混濁で,周囲に対する認識や理解が低下している。

傾眠: 眠っているが,刺激で開眼する。

昏迷: 痛みや大きい音,強い光などに反応する。

半昏睡: 皮膚を針で強く刺激するなどの痛みを加えると反応する。

昏睡: 刺激を与えても全く反応しない。

 

【Japan Coma Scale】

Ⅰ.覚醒している(1桁)

  • 0 意識清明

  • 1 見当識は保たれているが意識清明ではない

  • 2 見当識障害がある

  • 3 自分の名前・生年月日が言えない

Ⅱ.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁)

  • 10 普通の呼びかけで開眼する

  • 20 大声で呼びかけたり、強く揺するなどで開眼する

  • 30 痛み刺激を加えつつ、呼びかけを続けると辛うじて開眼する

Ⅲ.刺激しても覚醒しない(3桁)

  • 100 痛みに対して払いのけるなどの動作をする

  • 200 痛み刺激で手足を動かしたり、顔をしかめたりする

  • 300 痛み刺激に対し全く反応しない

 

【Glasgow Coma Scale】

開眼機能(Eye opening)「E」

  • 4点:自発的に、またはふつうの呼びかけで開眼
  • 3点:強く呼びかけると開眼
  • 2点:痛み刺激で開眼
  • 1点:痛み刺激でも開眼しない

言語機能(Verbal response)「V」

  • 5点:見当識が保たれている
  • 4点:会話は成立するが見当識が混乱
  • 3点:発語はみられるが会話は成立しない
  • 2点:意味のない発声
  • 1点:発語みられず。

 *挿管などで発声が出来ない場合は「T」と表記する。 扱いは1点と同等

 運動機能(Motor response)「M」

  • 6点:命令に従って四肢を動かす
  • 5点:痛み刺激に対して手で払いのける
  • 4点:指への痛み刺激に対して四肢を引っ込める
  • 3点:痛み刺激に対して緩徐な屈曲運動(除皮質硬直)
  • 2点:痛み刺激に対して緩徐な伸展運動(除脳硬直)
  • 1点:運動みられず

 

医師はGCSで表現することが多い。救命士さんはJCSをよく使う印象があるかな。

「昏睡」、「傾眠」って単語を今までいい加減に使ってたな。

 

GCS、JCS、日本語表現がどれに対応しているか表にまとめても面白いかもな。

時間があったら作ってみよう。

 

第108回医師国試のとある問題。難しいな。

m3で第108回医師国試のとある問題が掲載されていた。自分は泌尿器科だけど、日常的には遭遇しないし、難しいな。

 

 

問題)
11歳の男児。2週後の修学旅行を前に夜尿が治らないため母親と来院した。既往歴に特記すべきことはない。両親と姉と妹の5人暮らし。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球0-1/1視野、白血球1-4/1視野。腹部超音波検査で両側の腎と膀胱とに異常を認めない。
対応として適切なのはどれか。

 

A 経過観察

B オムツの使用

C 終日の水分制限

D 修学旅行の不参加

E 三環系抗うつ薬の内服

 

答えはEなのだが、知らないと、小学生に抗うつ薬を飲ませるという選択肢を選ぶのは、抵抗があるだろう。

 

ポイントは

・5歳以上に夜尿がみられる場合を異常とする。

多量遺尿型、膀胱機能未熟型および混合型に分類。

・治療は生活指導、もしくは薬物療法(三環系抗うつ薬、尿失禁治療薬、ADH製剤など)

自体重筋トレ(キャリステニクス)にハマっています。

こんばんは。

 

最近、自体重筋トレにハマっています。

 

自体重トレをキャリステニクス (CALISTHENICS)って呼ぶらしいです。何かカッコイイ・・・

ギリシャ語での「美」(Kallosと「強さ」(Sthenos)を掛け合わせた単語みたいです。ダビデ像をイメージすればいいでしょうか。

 

ジムでウェイトを上げたりする方が、トレーニングをやってる感は出ると思います。

でも、仕事が忙しかったり、予定が多かったりするとコンスタントに通えない。

そうすると、数千円から1万ちょっとする月謝代を回収できるほどトレーニングを積めているのか怪しかったりします。

 

そもそも、自分の肉体はそれほどマッチョって訳でもないので、ウェイトトレーニングで鍛えるまでもなく、キャリステニクスで十分じゃないかという考えに至った訳です。

 

そんな訳で、家での勉強や家事の合間、病院当直で時間が空いているときにキャリステニクスをやっています。キャリステニクスとウェイトトレーニングの違いについては下に張っている動画が物凄く参考になりました。

 


Calisthenics VS Weights (How I Got So Strong) | THENX

 

 

ウェイトトレーニングの目的は特定の筋肉の最大パワーを上げることである。筋肥大させるのにも有利。

 

キャリステニクスはボディーコントロールと身体の連動に重点を置き、体幹や速筋、ボディーバランスを整える。

 

両方のトレーニングが結局は必要みたいですが、目標とするレベルにもよりますよね。

正しいフォームと考え方でキャリステニクスを行い、バランスのいいボディを手に入れたいものです。

ヤンセンが前立腺癌新薬 "アパルタミド" を承認申請

こんばんは。

 

ヤンセン前立腺癌新薬 "アパルタミド (アーリーダ)" を承認申請しました。

 

アパルタミドは、経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬に分類されるらしいです。つまり、アステラスが販売しているエンザルタミド(イクスタンジ)と同様の作用機序を持つ薬剤というわけです。

 

ヤンセンファーマが、アステラスの前立腺癌治療薬の領地争いに決着を付けようとしている印象がある。

 

4年前くらいは、ヤンセンのザイティガ vs アステラスのイクスタンジ でバチバチ争っていた印象がある。お互いが勉強会を開きまくっていて、ドセタキセル後の去勢前立腺前立腺癌治療のパイを奪い合っていた。

 

私は、最初イクスタンジを使っていたと思います。ザイティガは、ステロイドを併用しなきゃいけないので、面倒臭いイメージがあった。周りの泌尿器科医も同じ印象を持っていたようで、最初はイクスタンジ優勢だったと思う。

 

ところが、2−3年前にザイティガ→イクスタンジの順で投与する方が去勢抵抗性前立腺癌の治療成績が良いことがデータで示された。さらに、1年前からホルモン感受性前立腺癌の一部の症例にザイティガが使える事になった。

 

今は、ザイティガの方を処方する機会が多くなったように思う。そこにきて、アーリーダの発売!このまま、前立腺癌ホルモン治療薬はヤンセンの独壇場となってしまうのか、、、

 

そのうち、イクスタンジとアーリーダを比較したデータが出てくると思うから楽しみに待っていたい。

 

与沢翼流28の思考法

投資のいいyou tube 動画が無いかと漁っていたら、与沢翼流28の思考法という1時間近くの動画が面白かったので、まとめてみました。

 

動画内容としては、自己啓発の一種ですかね?

でも、全てのサラリーマンは、これを聴くとハッとさせられるんじゃないでしょうか。以下その28ヶ条をまとめています。

 

思考が行動を生み、行動が結果を変える。

与沢翼の思考法則 28ヶ条

 

1  お金が一番大切だと思えているか

2  意図的に有害情報を遮断しているか

3  毎日自分の仕事に向き合っているか

4  お金の計算を細くしているか

5  1人の時間を大量に確保できているか

6   些末でどうでもいいことを無視できているか

7  少数の重要な本質だけに意識を向けているか

8  楽観に偏りすぎていないか

9  大切なことを監視しているか

10  悲観に偏りすぎていないか

11  他人の悪口を言っていないか

12  他人を気にしすぎていないか

13  自分の頭で考えているか

14  誰かに依存していないか 

15  熱狂できているか

16  利害関係者を味方につけているか

17  スピードを重視しているか

18  群れていないか

19 勇気を持ってるか

20 集中しているか

21 犠牲を払っているか

22 孤独に慣れているか

23 誘われたことをやっていないか

24 違和感を感じたらすぐ対処しているか

25  感情を支配しているか

26  バックをつけていないか

27  想像の上の成功を目指しているか

28  場当たり的な対処ではなく、根本を作っているか

 

フェルメール展

先週の日曜日、フェルメール展に行ってきました。

仕事が忙しがったので、なかなか美術展巡りができていなかったのですが、フェルメールの作品が9点揃うってのは、なかなかないですから。

今回は、時間を無理やり作りました。

 

チケットぴあで予約を取りました。入館時間が細かく設定されていて、指定時間以外にはいけない仕組みでした。

他の方のブログを見ていると、この仕組みは不評でした。好きな時間に行きたい、という意見が多かったように思います。

ただ、行ってみると、時間指定されていたので、あまり混雑してませんでした。

前に、若冲展に行ったことがあるのですが、その時はすごい混雑していた印象があります。

そういう点では、時間指定チケットのお陰で、ゆっくり鑑賞できました。

 

順路の最後をフェルメールルームと称して、フェルメール作品9展を並べていました。

今回のメインというか大トリは、’牛乳を注ぐ女’でした。

レプリカや本で見るモノとは違う存在感や色使いに、心が奪われました。

 

フェルメールルームにたどり着くまで、17世紀のオランダ絵画が展示されています。どれも技術的には高いのですが、彼の作品とは決定的に違うんでよね。

光の表現の仕方、モチーフと色彩のシンプルさに違いがあるんじゃないかと思います。

‘左側に窓があり、そこから光を差し込ませる’というスタイルを確立させて追求する。

その中で身につけていった表現の仕方なんだろうと思います。

 

上野の森美術館での展示は終了しましたが、次は大阪市立美術館で展示されるみたいですね。東京では展示されなかった'’恋文’’が観られるようです。

 

 

排尿困難について。泌尿器科以外の医師が診るとしたら?

研修医に排尿困難について講義をする機会がありました。

このブログでも紹介させてもらおうかと思います。

「研修医が救急外来で尿閉に出会ったら?」という視点で書きました。

 

泌尿器科以外の医師でとりあえず押さえるべきポイントは以下の2点だと思います。

  1. どこで尿がせき止められているのか(もしくは、産生されていないのか)を把握する。
  2. 尿閉や残尿が多い場合は、尿道留置カテーテルを挿入する。

 

1についてはエコーである程度判別できます。

2については、挿入のコツがあります。

順に説明していきます。

 

尿量が少ない(乏尿なら500ml/day以下)であれば、まず患者さんの症状を確認しましょう。

腰背部の叩打痛(CVA tendereness)があれば、水腎症の存在が疑われます。

下腹部の膨隆や切迫する尿意があれば、下部尿路(膀胱や尿道)の障害を疑います。

血清クレアチニンを測定して、腎不全の有無も確認しましょう。

 

なにより、尿流がどこでせき止められているかを判別するにはエコーが有用です。

以下の3パターンで分類しました。

 

A. 水腎症なし かつ 蓄尿なし ⇒ 腎臓より手前が原因(腎性腎不全もしくは腎前性腎不全) 

 

B. 水腎症あり かつ 蓄尿なし ⇒ 水腎症のある側の尿管の障害

 

C. 蓄尿あり ⇒ 下部尿路(膀胱・尿道)の障害

 

Aの原因としてよく出会う病態は、脱水や薬剤性の腎不全(NSAIDsの乱用)でしょうか。

 

Bに関しては、尿管結石が多いですかね。

片側の結石だと、もう片方の腎臓から膀胱に尿は流れるはずなので、

機能的に単腎だったりすると尿が膀胱にまで流れない状態になります。

 

Cの病態が、今回のテーマ「研修医が救急外来で尿閉に出会ったら?」で一番適切に対応してもらいたいところです。

Aは内科的な対応で事足りますし、Bは結局のところ泌尿器科の専門的な治療(尿管ステントや腎ろう増設)でないと解決しないからです。

Cの病態であれば、原因疾患がなんであろうと、尿道留置カテーテルを入れさえすれば、とりあえずその場をしのげます。

 

ただ、「尿道留置カテーテルがどうしても入らない」という相談をうけることがよくあります。

次回は、挿入困難例に尿道留置カテーテルを入れるコツをまとめようと思います。